パンドラの箱 2018 5 12

 今、北朝鮮に関するニュースが多くなっていますが、
言葉を正確に定義してから報道すべきでしょう。
 何度も書きますが、
「朝鮮半島の非核化」では、
在韓米軍の撤退まで含んでしまいます。
 北朝鮮から見れば、
在韓米軍は核兵器を装備しているのではないかという疑念は晴れません。
 仮に、在韓米軍には核兵器がなかったとしても、
すぐに核兵器を装着して運用できる兵器が多数あります。
 北朝鮮にしてみれば、
在韓米軍の軍縮か完全撤退を、
「不可逆的かつ早急に」始めるべきだと言いたいでしょう。
 このように「朝鮮半島の非核化」では、
話が大きくなりすぎますので、
「北朝鮮の非核化」にすべきです。
 ただし、「北朝鮮の非核化」では、非常に不十分なものとなります。
北朝鮮は、世界有数の化学兵器大国・生物兵器大国です。
核兵器・化学兵器・生物兵器の完全撤廃を求めるべきです。
さらに、すべての弾道ミサイルの廃棄も求めるべきです。
 そういうわけで、「北朝鮮の非核化」だけでは、
北朝鮮を利することになります。
「北朝鮮が保有する大量破壊兵器のすべての撤廃」と、
「運搬手段の撤廃」まで求めるべきでしょう。
 しかし、ここまで求められると、
北朝鮮としては、在韓米軍の完全撤退を要求したくなるでしょう。
 中国・北朝鮮から見れば、
朝鮮戦争が休戦となり、
人民解放軍は朝鮮半島から撤退したのに、
「なぜ、米軍は、朝鮮半島に駐留を続けるのか」という積年の不満があります。
 もし、朝鮮戦争が「休戦」から「終結」となり、
平和条約が締結されたら、
在韓米軍の完全撤退は必須のものとなります。
 中国から見れば、兵法では、
太平洋を「川」に見立てれば、
アメリカが朝鮮半島に「背水の陣」を敷いていると見えます。
 兵法の大家である中国から見ると、
このような「不愉快な陣形」は、早急に解消したいと思っているでしょう。

軍事バランス 2018 4 30
 軍事バランスが崩れる時、
戦争は起こり、植民地ができる。
これが、人類2000年の歴史です。
 さて、朝鮮半島の軍事バランスを見てみましょう。
通常兵器で比較すると、
韓国軍と在韓米軍は、最新鋭兵器を揃え、
世界トップレベルです。
 一方で、北朝鮮の兵器は、
いまだに第二次世界大戦で使われたような、
あるいは骨董品のような兵器が多いのです。
 通常兵器だけで比較すると、
白人が北米大陸を「発見」した時の、
白人対インディアンの戦いになってしまいます。
 そういうわけで、
北朝鮮が核兵器を開発するのは、
軍事バランスを考えれば、非常に合理的です。
 もし、北朝鮮が核兵器を放棄すると、
軍事バランスでは、
白人対インディアンの戦いのレベルになってしまいます。
 しかしながら、北朝鮮には、奥の手があるかもしれません。
北朝鮮は、世界有数の化学兵器大国です。
 国家が分裂状態にあったシリア情勢ですが、
化学兵器の使用によって、国家が再統一されつつあります。
 こうしたシリア情勢を見て、
万が一、朝鮮半島が大混乱に陥っても、
「シリア方式」で朝鮮半島の統一を考えたのか。
 話が戻りますが、
北朝鮮が核兵器を放棄する前提条件は、
在韓米軍の撤退です。
(それから、韓国軍の軍縮です)
 朝鮮戦争が休戦になった時、
中国の人民解放軍は撤退しましたが、
米軍は撤退しませんでした。
 在韓米軍撤退後の朝鮮半島は予測がつきませんが、
間違いなく「波乱」があります。
 ロシア型の政治体制で、
金正恩大統領と文在寅首相を
北朝鮮は思い描いているかもしれません。
































































スマートフォンのトップページへ